2026年3月9日(月)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン8 H-7/8/9)
2026年2月27日(金)公開 / 上映時間:120分 / 製作:2025年(日本) / 配給:東映
【監督】 源孝志
【キャスト】
 加瀬総一郎:柄本佑 / 篠田金治:渡辺謙 / 伊納菊之助:長尾謙杜 / 一八:瀬戸康史 /
 相良与三郎:滝藤賢一 / 久蔵:正名僕蔵 / 二代目・芳澤ほたる:高橋和也 /
 伊納清左衛門:山口馬木也 / お三津:愛希れいか / お与根:イモトアヤコ / 雀:まつむら眞弓 /
 桃井浩二郎:柴田善行 / 遠山安房守:野村周平 / 滝川主馬:石橋蓮司 /
 伊納たえ:沢口靖子 / 作兵衛:北村一輝 /
 七代目 市川團十郎:冨家ノリマサ / 五代目 松本幸四郎:本田博太郎
【あらすじ】
時は江戸時代。ある雪の降る夜、木挽町の芝居小屋「森田座」のすぐ近くで、美しい若衆・菊之助(長尾謙杜)が父の仇討ちを見事に成し遂げた。その事件は多くの人々に目撃され、美談として語られることになる。1年半後、菊之助の縁者だという侍・総一郎(柄本佑)が、仇討ちの顛末を知りたいと森田座を訪れる。菊之助に関わった人々から事件の経緯を聞くなかで徐々に事実が明らかになり、やがて仇討ちの裏に隠された「秘密」が浮かび上がる・・・
【感想】
この映画は、単なる時代劇ではなくミステリー的な要素がありそうということで、奥さんも長女も興味を持っていたので、3人で観てきました。

冒頭、長尾謙杜がとても美しくて見ごとに仇討ちを果たすシーンから始まりますが、そのシーンが終盤にはまったく違う視点と印象で見ることになるという、とても面白くて感動的な映画でした。ミステリー的な要素は、思っていたほど衝撃的な種明かしではなく、中盤にあっけないほどさらりと真実が明かされます。それ以降は、その真実に沿った仇討ちシーンの種明かし的な再現(まるで「カメラを止めるな!」的な)といった構成でした。最初に観た人物の印象と、真実の目で見た人物の印象の違いを楽しむという面白さがありました。特に仇討ち相手の作兵衛(北村一輝)の印象は、北村一輝自身の個性もあって、まったく異なった人物に見えるのがさすがでした。

長女は、納菊之助を演じる長尾謙杜がこんなに演技がうまかったのかと感心していましたが、本当にそれぞれの俳優さんがとてもいい味を出していて、それを見るだけでも楽しめる映画でした。それにしても武士の忠誠心や掟というのは重くてつらいものだと思います。ラストシーンで、遠山安房守(野村周平)が籠から降りて作兵衛と森田座の人々に感謝を伝えるシーンは感動的でウルっとしてしまいました。そこで、柄本佑が演じた加瀬総一郎が主役ではなく、忠義を果たし終えた作兵衛こそがこの物語の主役であると思わせられます。そのシーンがこの映画をしっかりと締めてくれました。ただ、根本的な悪である滝川主馬(石橋蓮司)の悪事がばれて処分されるシーンを見たかったと、一緒に観た奥さんと長女は言っていました。

仇討ちの真実(狂言)、ちょっと笑えるコミカルなシーン、うるっと泣かせる感動的なシーン、とても楽しめる完成度の高い映画でした。欲を言うならば、仇討ちの真実は、さりげなくさらっと明かすのではなく、驚きを感じるような明かし方であればもっと良かったかなと思いました。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。