2026年1月26日(月)鑑賞 U-NEXT
2023年2月4日(土)公開[PG12] / 上映時間:135分 / 製作:2022年(日本) / 配給:イーチタイム
【監督】 外山文治
【キャスト】
 佐々木マナ:岡本玲 / 松子:磯西真喜 / 道子:瀧マキ / カヨ:岬ミレホ / 長島悠子 /
 百元夏繪 / 海江田真弓 / クイン加藤 / 楠部知子 / 千佳:海沼未羽 / 鷹木:中山求一郎 /
 アサヌマ理紗 / 鈴木武 / 佐野弘樹 / 光永聖 / 中村莉久 / 牧亮佑 /
 時岡茂雄:渡辺哲
【あらすじ】
佐々木マナ(岡本玲)は、仲間とともに高齢者専門の売春クラブ「茶飲友達(ティー・フレンド)」を設立し、新聞に掲載した「茶飲友達、募集。」の三行広告で集まってきた男性たちのもとへ高齢女性を派遣するビジネスをスタートする。「ティー・ガール」と称される在籍女性の中には、介護生活に疲れた女性、ギャンブルに依存した女性などさまざまな事情を抱える者がいた。マナのもとで「茶飲友達」を運営する若者たちもまた、出口の見えない社会で閉塞感を抱えて生きている。 さまざまな世代を束ねるマナは、彼らを「ファミリー」と呼び、擬似家族のような絆を育んでいくが・・・
【感想】
熱が出て一日中寝ていた翌日、熱は平熱に戻ったもののまだ無理はしないでおこうと思って観た映画です。マイリストに入れていた中で、配信が今月中だったのでこの映画を観ることにしました。

孤独な高齢者と孤独な若者が、売春組織である「ティー・フレンド」の中でファミリーという関係を作り出し、違法な世界の中でも楽しく生きがいを見つけて生きている姿を描いています。また、高齢者向けの売春組織なので、高齢者の性問題も考えさせられます。高齢者と他人事のように感じますが、自分ももうその範疇に入っているのだろうし、性問題も自分事になるのかもしれません。高齢者の性というと、「いい歳をして・・・」と蔑んで観られ、悪いことのように思われるのが普通かもしれませんが、私はいつまでも異性の肌を感じたいという思いはあるのかなと思います。

映画は、若者は世間に対する諦めや親への失望などで違法な世界に入らざるを得なかった境遇を、高齢者は孤独な環境から万引きやパチンコ依存になってしまう境遇を描き、それぞれが「ティー・フレンド」で考え方を変えてゆき前向きに人生をとらえていくということで悲しくも応援したくなるような雰囲気で進みますが、違法なことで幸せをつかむという終わり方はありえないのだろうなと思って観ていたら、最後は、悲しいというよりも胸が痛くなるような終わり方でした。こんな形で集まった”ファミリー”はこんなにも脆いものなんだということを突きつけられました。結局、ルナは自分の母親に対する寂しさを売春組織という形で人を巻き込んで癒していただけで、最終的には関係したみんなを不幸にしてしまうのが今の社会のルールなんだというやり取りは説得力がありました。

ラストシーンで、マナの母親が面会に来たので少しは救われる結末を予期しましたが、あの母親が「家族だから」という言葉から始まるのはあり得ないと思ったら、マナも「家族って何?」という言葉を発して、その後の不穏さが残ってしまいました。

佐々木マナは、本当は優しくて愛情に飢えていただけだと思うし、本当にみんなに幸せになってほしいと思っていたと思うので、違法行為ではなくその気持ちを社会で役立たせられなかったのか残念でしたし、そういう方向に向かわす社会も残念な気がしました。違法行為にかかわったことは悪いことですが、この作品の登場人物は誰も悪い人だとは思えない(千佳を妊娠させた男だけは例外)ところが切ないところです。
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。