2025年5月29日(木)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン6 G-9) |
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2025年5月23日(金)公開 / 上映時間:93分 / 製作:2025年(日本) / 配給:ソニー・ピクチャーズ
エンタテインメント
【監督】 小泉徳宏
【キャスト】
間宮哲太:寺尾聰 / 間宮雄太:松坂桃李 / 志賀聡美:佐藤栞里 / ダニエル:副島淳
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田所:大島美幸 / 海野由梨:齋藤飛鳥 / 亮一:ディーン・フジオカ / 藤岡治:三宅裕司
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門松大介:石倉三郎 / 医師:佐藤浩市 / 間宮律子:松坂慶子 |
【あらすじ】
間宮哲太(寺尾聰)はかつてレコードデビューを夢見たものの、息子の雄太(松坂桃李)のためにその夢を諦め、地元の横須賀で楽器店を営む傍ら、時々地元のステージで歌声を披露していた。そんなある日、哲太はアルツハイマー型認知症との診断を受ける。徐々に記憶を失っていく父親の姿を見た雄太は、父に改めて夢を実現してほしいとの思いを強くし、実現に向けて奔走する。 |
【感想】
今月は観たい公開映画が少なかったのですが、この映画は少し興味を持てたので夜にひとりで観てきました。この映画は、イギリスであった実話をもとに、舞台を日本に置き換えて映画化されたものです。観客は久しぶりにひとり貸し切り状態かなと思っていたら、ひとり入ってこられてふたりでの鑑賞となりました。夜の最終上映とは言え、寂しい状況でした。
この映画の舞台は横須賀。南国リゾートを思わせる景観の馬堀海岸の国道16号線から始まります。この国道は、私も観音崎灯台に行った時に走ったことがありますが、とても素敵なところでした。その国道16号線を、哲太と雄太の乗る車が走っているのですが、その車がコバルトブルーの「1964年オールズモビルダイナミック88フィエスタステーションワゴン」で、それを見ているだけでも楽しくなりました。その後、哲太がアルツハイマー型認知症であることがわかり、本人と家族、周りの人との関係が、哲太の夢だった音楽をキーに描かれます。
アルツハイマー型認知症は、本人や家族の大変さがよく伝わってきて、自分の将来について考えさせられました。認知症は必ずなるわけではありませんが、なんらかの覚悟は必要なのかなと思いますし、家族へ迷惑をかけないようにするにはどうしておけば良いかなんてことを思いながら観ていました。
全体のストーリーは、思っていたよりはアーティストとして晩年で成功するという感じは感じられず(寺尾聰の歌自体は素晴らしいものでしたが)、むしろステージで危ういと感じてしまう描き方だったので、あれでレコード化されるほどの成功という感じはしませんでした。哲太のためにステージに駆け上がる雄太のシーンは感動的なシーンだとは思うのですが、客のいる前であのような状態になってしまうということが私には危ういと感じてしまいました。その親子のつながりは、哲太と雄太の過去のいろんな出来事があったからこその物語だったと思うので、そこの表現ももう少し丁寧に描かれていたほうが感情移入できたのかなと思います。
思っていたよりは感情を揺さぶられることはなかったですが、寺尾聰の歌に魅了されたり、横須賀の雰囲気を味わったり、認知症問題を考えたり、ステーションワゴンを見たり、そういう面ではとても楽しめた映画でした。これで泣けたら最高だったのですけどね。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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