2025年5月21日(水)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン5 G-8) |
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2025年5月16日(金)公開 / 上映時間:125分 / 製作:2025年(日本) / 配給:ショウゲート
【監督】 古川豪
【キャスト】
金子真司:丸山隆平 / 金子美和子:真木よう子 / 金子和真:三浦綺羅 / 二ノ宮佐知:川口真奈
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徳山詩織:村川絵梨 / 徳山花梨:金子莉彩 / 二ノ宮芳恵:まひろ玲希 / 久保木:甲本雅裕
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小島こず江:根岸季衣 / 金子容子:名取裕子 / モロ師岡 / 山口大地 / 相田:岡田地平
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堀家一希 / 如月綾:堀丞 / 小島高史:北村匠海 / 横川哲:岸谷五朗 / 星田辰夫:寺尾聰 |
【あらすじ】
金子真司(丸山隆平)は刑務所や拘置所に収容された人への差し入れを代行する「差入屋」を一家で営んでいる。ある日、息子の幼なじみの女の子・花梨(金子莉彩)が殺害されるという凄惨な事件が発生する。一家がショックを受ける中、犯人・小島高史(北村匠海)の母親・小島こず江(根岸季衣)が「差し入れをしたい」と店を訪れる。差入屋としての仕事をまっとうし、犯人と向き合いながらも、金子は疑問と怒りが日に日に募っていく。そんなある日、金子は一人の女子高生・二ノ宮佐知(川口真奈)と出会う。彼女は毎日のように拘置所を訪れ、なぜか自分の母親を殺した男・横川哲(岸谷五朗)との面会を求めていた。この2つの事件と向き合う中で、金子の過去が周囲にあらわとなり、家族の絆を揺るがしていく・・・ |
【感想】
しばらく観たい映画がなかったので、4月29日以来の映画館での映画鑑賞となります。この映画は、初めて聞く刑務所への「差入屋」の話ということで気になっていた映画だったので、観に行ってきました。
結論は、私にとってはとても感動的な映画でした。ひとりで一番後ろの席で、周りを気にすることなく泣いてしまっていました。金子真司は、傷害で刑務所に入っていた経験があり、その間も待ってくれていて生まれたばかりの和真を育ててくれた妻の美和子に感謝しつつ、日々をおとなしく誠実に暮らしています。そんな真司のまわりには、自分の母親(名取裕子)との確執、和真の幼馴染の花梨の死と犯人親子への怒り、真司に仕事への偏見による和真へのイジメ、そして母親を殺した犯人に面会したいという少女、というようにいろんな出来事が描かれます。その出来事によって、差入屋という仕事の大切さと大変さ、母親と息子の関係、一度罪を犯した者への世間の偏見、意外な事件の真相などが明らかにされていきます。
和真へのいじめに腹を立てて学校に乗り込んだ真司が、家で自分の行動を和真に謝った時の和真の言葉、そして、母親を殺した犯人と少女の関係には、相手を思う優しさがあふれていたこと、このふたつのシーンは、私の琴線にダイレクトに触れてきて涙無くしては見ることができませんでした。
真司の妻・美和子の優しさの中に秘める強さもとても印象的で、人が何を言おうと、何をされようと、自分たちの正しさや意義を信じて生きようとする意志は、とても美しく感じました。人の強さは力ではなく、正しいと思う信念とそれに基づく行動を感情的にならずに静かに普通にできることだと教えられました。
差入屋の仕事を犯罪者やその家族を絡ませて淡々と描く映画と思っていましたが、予想以上に、自分の家族、被害者とその家族、犯罪者とその家族に入り込んで、複雑で難しい問題を考えさせてくれる素晴らしいストーリーだったと思います。内容が充実していたので、2時間があっという間でした。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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